わたしたちの田村くん2 (竹宮ゆゆこ)

長らく2巻を読んでいなかったので、1巻から読み直し。今読み返しても繊細な2人のヒロインは魅力的で、田村くんでなくともどっちを選ぶのか気が引けてしまう。
この2巻では修羅場こそあるものの、中盤以降はヒロイン一人に絞って綺麗にゴールイン。展開は悪くはないんだけどどこか違和感がある。

そもそもヒロインがどこか違っている。相馬は全然ツンデレじゃなかった。松澤も内に秘めた強さを持っていた。やや核心部分の引用をすると

俺は今まで二人のことを、『弱々しく泣いている、助けてあげなくちゃいけない女の子』だと思っていた。だけど手を伸ばしてみれば、そんな女の子の姿はまるで幻だったみたいに、勢いよく弾けて消えた。
かわいそうな女の子など、いなかったのだ。

1巻で描かれた2人は、感動系恋愛ゲーム華やかな頃によく見かけた、主人公に縋ってくる孤独な女の子だったのに、2巻でじたばたしたり弱さを見せるのは主人公の方だった。
その手のゲームでよくあった「不幸な女の子を助けることで優越感に浸る主人公」の気持ちはほとんど感じられず、そこらへんの安直な展開を期待していたのが違和感の原因か。

恋愛は対等のパートナーシップが基本だろうけど、あれはあれで好きなんだけどねw

わたしたちの田村くん〈2〉 (電撃文庫)

わたしたちの田村くん〈2〉 (電撃文庫)